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2020年06月20日

ハンコに託した父の想い

きょう、印鑑(正式には印章と言うそうです)を買いました。

ずっと使っていた認印が、
いつの間にか、〇の部分が欠けてしまったのです。
完璧な印影にならなくなっていたのを気にしながら、
このコロナ禍で使うこともなく、そのままにしていました。

宅配便の受け取りはシャチハタで間に合っていたし、
Amasonの配達など、「印鑑不要」になっていたので・・・

私の実印と認印は父からの贈り物です。

30歳で離婚して、フリーアナウンサーとして再出発する時に
「これからは、こういうものも必要になるから」と
立派なケースに入ったものを渡してくれたのです。

それまで使っていたのは、卒業の時に学校からもらった認印でした。

父が作ってくれた実印は象牙で、
認印はどうやら黒水牛のようです。


今日、たまたま通りがかった印章店で、
「難しいほうの澤田のハンコはありますか?」と尋ねたら

「う~ん、そこの珍しい名前ばかりを並べた中にあるかも」と。

そうなんです!
フリーアナウンサーとしては「沢田」の略字で通していますが、
戸籍上は「澤田」なので、正式文書には当然ながらこちらを使います。

しかし、シャチハタや三文判など既製品では見つからず、
そのせいもあって後回しになっていました。→言い訳

「これは、ちょっと高いよ」
と言われて、一瞬ひるんだけれど
「1200円」と聞いて、即決で購入。

しかし・・・
家に帰って、買ったばかりの印鑑をある書類に押すと

「ん?」 何かが違う!
印影もぼやけているように見える・・・

朱肉のせいかと、家中の朱肉を出して押し倒したけれど、
納得いかない!


あらためて、父から贈られた印鑑を押すと、
印影もくっきり(欠けてるけど)、字体も高貴な感じ
なにより、手になじむ重さや手触りのしっとり感が全く違う

それは、長く愛用していたからではなく、
その印鑑の素材である黒水牛のもつ質感や、適度な重さなんだと思う。

1200円のは、木製。
三文判よりは高級だろうけど、違うんだな、これが・・・


意を決して、買ったお店に電話した。
「ちょっと相談させてください」と。


今回のStay Homeでテレワークになった会社が
ハンコを押すためだけに出社しないといけなかった・・・などと、
時代遅れのハンコ業務だと揶揄されていたけれど、

私の仕事関係でも、まだまだ印鑑は必要な場面があり、
特に、行政の書類や契約文書にはシャチハタNGが多い


新たにスタートする娘に対して
「ハンコを押す限りは、責任を持って仕事をせよ」の父の想いが
込められていたのだろう。

そんなことを、今回の印鑑でしみじみ感じ、
あらためて、自分の裁量で自分の印鑑を作ろうと思った。


ハンコに託した父の想い





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Posted by ひさこ  at 20:29 │Comments(0)真面目な話家族のこと

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